新杜氏インタビュー 山崎 慶浩(やまさき よしひろ)

山崎 慶浩(やまさき よしひろ)

2001年に喜多屋に入社し、2022年7月に新杜氏に就任した。 酒造りに対しても、人間関係に対しても、気配りと心配りがモットー。 美味しいお酒を醸すため、チーム「喜多屋」のレベルアップと一致団結した酒造りに貢献する頼もしきリーダーだ。


●これまでの経歴は

高校在学中に喜多屋の求人を見つけ、先生の薦めもあり、入社を決めました。
入社当時、自分がお酒を造るとは少しも考えておらず、営業職になると思っていました。
初めは営業研修の一環として始まった酒造りでしたが、そのまま酒蔵での仕事をどんどん覚え、現在も蔵人として酒造りに従事しています。
蔵人としての21年間では、酒造りに必要な洗米・蒸し・仕込み・製麹(せいぎく)工程等の業務を担当してきました。

●21年、喜多屋一筋の歩み

私の蔵人としての経歴は、「喜多屋のお酒をずっと熱心に作ってきたこと」が最大の特徴であり、誇りだと思っています。
喜多屋の伝統、水と空気、そして心構え(7S=整理・整頓・清掃・洗浄・殺菌・清潔・習慣)でお酒を造る経験を、人一倍積んできました。
そして醸造部リーダーを経て、今年の7月、前杜氏だった西尾から役職を引き継ぎ、杜氏になりました。

●新杜氏に就任して感じていること

蔵人だった頃と特に変わったことはありません。
よく「不安はないか」と聞かれますが、これまでもお酒を一緒に造り続けてきたチームへの信頼感があるので、自然と酒造りに集中できています。各業務の担当者はプロフェッショナルばかりですから。私は状況の変化がないか常に気を配り、蔵人たちと会話することを心がけています。
ただ、「皆がケガをしないように」とチームを守る立場としての責任感を強く感じるようになりました。伝統ある喜多屋の日本酒を作り続けるためにも、杜氏ありきではなく、蔵人全員がベストを尽くせる酒造りを目指したいという気持ちがあります。

●今後の目標は

造っているお酒は喜多屋を始め、寒山水や蒼田など、様々な特徴の銘柄があり、年間150回以上仕込みをおこなっています。その商品一つ一つにおいて、お客様に喜んでいただける高品質なものを作っていきたいと思います。
実は、今日(取材日:9月下旬)は杜氏になってから初めての上槽(醪を搾って酒と酒粕を分離する作業のこと)でしたが、狙い通りの十分な酒質を表すことができました。
これからの私たちが造るお酒も、お客様に「やっぱり喜多屋は美味しい」と思っていただけるように、精一杯頑張ります。

●もう一度、世界一を目指す

IWC(インターナショナル・ワイン・チャレンジ)2013にて、喜多屋は「極醸喜多屋」でチャンピオン・サケを受賞しました。当時は前杜氏・西尾の元、私は仕込みの担当をしていましたが、自分たちの日本酒がチャンピオンになった時の気持ちは、今でも忘れられません。
あのときの感動をもう一度、今のチームで味わいたいと思っています。

喜多屋というチームでこれからもっと成長し、世界一を勝ち取りたい。この目標に向けて、杜氏として全力を尽くしていきます。


「チーム喜多屋でベストを尽くす」と笑顔の山崎慶浩杜氏(右)と家中幸将杜氏補佐(左)

 

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